こちらのシリーズでシナリオを担当させていただきました!
犬塚いちご様のお年玉ヤンデレシリーズ、第二弾になりますね
前回の「ヤンデレ商店街」は一部キャラのみの担当となりましたが、今回は全てのシナリオをお任せいただくことになりました
当然といえば当然のお話ですが、多くの年始のテレビ番組が昨年に収録しているように、このシリーズもシナリオは11月から製作しておりました
シークレットとなっていた魔王のシナリオを含め、4本のシナリオの製作となったのですが、全体的にすんなりとお話が浮かび、4本を1週間で仕上げることができました
ただ、取り扱う内容がヤンデレということもあり、表現には気を付けなければならない部分があり、結構な数の「ボツ案」があったりします
実際に犬塚様とのやりとりの中で「ここはソフトにしましょう」となったもの、あるいはお見せする前に自己判断で「いや、これはきついわ」と取り下げて修正したものなど……
せっかくですので、各シナリオのボツ案含め、軽くおさらいできればと思います
レオナ編
戦士だけど恋する乙女。ただし、実は女の子らしい~だとか、そういった要素は排したしっかり硬派な女戦士として製作させていただきました
口調が中性的なこともあり、戦士というよりは騎士なテイストですね。実際、すごく由緒正しく、強く、だからこそ勇者一行に加入しているという想定です
「勇者」という職業の設定は色々とあると思うのですが、とりあえず今回に関してはドラクエに見られるような、割とみんな公認の「魔王を倒すべくして旅立った冒険者」としての勇者を想定しています。初めから魔王を倒すために選ばれた者。だからこそ一流の騎士であるレオナがお供として選ばれた、って感じですね
なので、パーティでは一番の古株で、だからこそ愛が育まれていったのではないか、と思っています
完成したシナリオとしては、逆壁ドン、とでも言うんでしょうか。女の子から壁ドンして迫ってしまうような、強烈な押しの強さ、肉食系って感じの仕上がりですね
他のパーティメンバーに酷いことを言ってしまったりと、割と女特有のドロドロ感もありつつ、ですが比較的まともより(?)なまっすぐなヤンデレだと思います
なお、最初に公開されるシナリオということもあり、後の作品の予告編めいた役割も担っていますね
さて、ボツ案ですが……
まず、勇者が骨折られてました
初手ボーンブレイクです。初手DVというか、FF(フレンドリーファイア)と言いますか……
勇者の骨が折れて戦力ダウンしても、レオナ一人でなんとかできる、その強さを証明して見せるから、嫁としてふさわしいだろう……というめちゃくちゃな迫り方をしていました
女子力(物理)な流れですが、騎士として生きてきたレオナとしては、強さの証明。女だからと侮れない力の証明こそが、一番のアプローチだと考えるだろう、ということでこういう形にしていました
後、完全に自作自演ですが、骨折した勇者を介護することで、老後も安心(?)アピールだったり
……が、Youtubeでこれは厳しいかなぁ、ということになり、今の形に落ち着きました
なんなら、他のパーティメンバーをさっくりとやっちゃう案もあったんですが、これもやっぱりボツ。平和的なヤンデレがいいですよね(矛盾塊)
ミア編
束縛系魔法使い、ミアです
書いていて誰が一番好きか、と問われれば彼女だったりします。基本は割とオーソドックスなヤンデレかと思いますが、意外と今まで書いたことがなかった「数数え系」です
ちなみに、本当に小さなことですが、作中で勇者がミアと話した回数は「23回」→「32回」とカウントされていますが、これは実際に勇者が話していると想定した「間」の回数をきちんと数えた上でのシナリオになります。しょーもないことですが、ここは適当こかず、しっかりしたものにしました
とにかく、重くてめんどくせー女。でも、ふん、おもしれー女。中々いいんじゃないの。と私は考えています
彼女に関してはボツ案はなく、初めからこういった監禁系で考えていました
ただ、初期はもうちょっとだけ元気と言いますか、がっつりめな小悪魔だったので、暗い過去を匂わせて、だからこそのヤンデレなんだといった形に落ち着かせています
優秀なんだけど、魔法のコントロールが上手くできないポンコツ系魔法使いとして、色々なパーティを転々としてきて、最後はソロになってしまい、途方に暮れていたところを勇者に仲間にしてもらった……といった感じの過去があります
実際、レオナとふたり旅だとほぼほぼ脳筋パだったと思うので、マジックユーザーは必要だったんでしょうね
ちなみに私のイメージでは、ミアはがっつり攻撃魔法、というよりはバフデバフ中心、後は回復魔法も使えるんじゃないかなー、とか思ってます
一方で攻撃魔法はもっとコントロールが苦手で、思いっきり出力を落としたものか、逆に自爆しかねないほどにパワフルなものか、という極端な性能のイメージ。まあ、うん……割と使いづらい子ですね
だからこそ、焦ってヤンデレ化しちゃったのかも、と思うとヤンデレに理由あり、ですね。意味なくヤンデレになる子はいないんです。たぶん
リース編
ロリっ子カワイイヤッター!なリースちゃんです
意外とガチロリっていうのは珍しい、でしょうか。のじゃロリ系は過去に結構、製作させていただきましたが、しっかりロリで、かつ人間。しかもヤンデレ。中々に属性が渋滞しております
ヤンデレのシリーズですが、ヤンデレの愛は重く、激しいもの。ずーっと受け止め続けていたら疲れてしまうと思いますので、たまにはこういう箸休めも必要ですよね。こんなに可愛い女の子がヤンデレな訳がありません
いやまあ、ヤンデレなんですけどね
ヤンデレ含め、色々な「属性」ってNGな人にはNGなので、きちんと明記しておかないといけないことだと思います
とはいえ、不意打ち気味にその属性が来るからこそいい、という面もある訳で。結構、その辺りの二律背反に悩まされる面もある訳ですが……
今回はいきなりはっきりとヤンデレ面を出してこない、しかし後から強烈に病みを見せる、というシナリオにしてみました
リースのシナリオもボツ案はなく、初めからこの形で考えております
あ、でもちょっとだけボツはありました
実際に死んじゃったパーティメンバー(のゾンビ)が出てくるっていうのなんですけど
さすがにえぐい、きつい、しんどいだろう、ということで犬塚様にお見せすることもなく、闇へと葬られました。さすがに闇属性が強すぎます
今更ですが、犬塚様のチャンネルの作品はどれも犬塚様がお一人で演じられています
ということは、別キャラを登場させたり、といったことも可能で、実際に何度かヤンデレ商店街などでも、別キャラの乱入のシナリオなどは考え、書いたこともあるんですが、毎回色々な事情(主に字数など)でボツとなっていて、実現していません
このリースのボツ案では、実際にゾンビレオナたちに喋ってもらうような予定はなく、あくまで「ほら、二人ともいるんだ」と見せるだけのつもりでしたが、それもまた自重によってボツとなってしまった辺り、中々クロスオーバーはできないものです……これはもう運命なんでしょう
それでも、結果としてリースのシナリオは胸糞といいますか、救いがトップクラスにないと思うので、苦手な方はとことん苦手かと思います
可愛いロリっ子なんだから、もっと爽やか(?)なヤンデレがよかったという方はごめんなさい。ネクロマンサーという時点で、闇ENDしか浮かばなかった私の責任です……本当に申し訳ない
リウィア編
最後に来た魔王様編
以前、犬塚様の演じる可愛くて実にセーフティーな魔王様も製作させていただきましたが、今回は愛が強すぎて世界滅ぼしちゃう系の安全ではない魔王様です
ゲーム的な魔王というのは、すっごく非効率的なものですよね。勇者が弱い内にご本人が潰しに来たら、その時点で終わりですし、それが手間なら側近をぶつければいいのに、なぜか弱い順に襲いかかってくる。結果的に勇者たちを成長させてしまい、半ば自業自得気味に負けてしまう
もちろん、ゲームは攻略されるためのものですから、無理ゲー展開になってはいけない訳ですが、でもお話としては結構な矛盾、魔王がアホなお話、ということになってしまいます
ということで、今回の魔王様は部下が「いやぁ、それはやめてくださいよ」とセーブしていた結果、人間が想像以上に愚かだったんで、強制的にエンディングにさせにきた、というゲーム的には収まりきらない感じになりました
魔王様の設定は、ある意味ではヤンデレではないですね。魔王が魔王であるがままに恋しちゃったら、こうなる、といった感じです。実質純愛
異種族との耳かきというのは、犬塚様のチャンネルではくらげ娘、エルフ、スライム娘に前回の魔王様、と何度も追求されてきたテーマですが、今回もそれの類型です。つまりヤンデレではありません。いいね?
このシナリオにほとんどボツはありません。実は製作段階では、もうちょっとだけ過激な言葉遣いをしてしまっていましたが、そこを改めてセーフティーに、セーフティーに。結果、魔王様が色々と真っ赤な感じになりましたね。Ураааааааа!
後は本当にパーティが全滅していたぐらいでしょうか。さすがにそれはシークレットとはいえ、最後に持ってくる作品でヒロイン全滅はきついだろう、ということである意味で死ぬより辛い結末となりましたが、命があれば万々歳です。下剋上もワンチャンあるかもですしね。町ひとつを消し飛ばせる魔王様に勝てるかはともかくとして
といった感じに、お送りしてきました。「#勇為」
直接的なグサー!とか、露骨な「始末しておいたよ♪」などはない、全体的にセーフティーなヤンデレの世界を表現できたかと思います
人死にが出ないことと、マイルドであることはイコールではないですが
全体的には、爽やかな程度の胸糞悪さに留めることができて、新年から聴くのにちょうどよかったのではないでしょうか
今回、記事ではボツ案大公開という、初めての試みをしてみましたが「これでは病みが足りん!」という方は、ボツ案のようなどぎついヤンデレを想像されてみてはどうでしょう。いい感じにゾクゾクできると思うのですが……
また、これは私には何の権利もないお話ですが、お気に入りのキャラクターについては、ツイッターやyoutubeのコメントでその愛を叫び続ければ、ヤンデレ商店街の晶葉ちゃんのように、後に単独の作品が製作されるかもしれません
ですので、ぜひぜひ、これからも本シリーズをお楽しみいただき、よろしければお友達に布教していただき、ヤンデレの輪を広げていただきたいと思います!
ヤンデレの輪ってなんだよ