座敷童の笑顔

「のう……悠。人が生まれるって、どういうことなんじゃろうな……」
「な、なんだよ、急に。哲学か?」
「まあ、哲学と言えば哲学かもしれん。しかし、ふと思ったのじゃ。なぜこの世界にはたくさんの命が生まれては死んでいくのじゃろうな、と。まだ人間はよいじゃろう、とりあえず生まれてから死ぬまでの時間で、まだ何かを成し遂げる可能性がある。別に歴史に名を残さなくとも、その仕事が誰かの人生に影響しとるじゃろうし、たとえ仕事をしなかったとしても、消費行動によって経済には貢献しているはずじゃからな」
「お、おう……それで?」
「しかし、洗濯物を取り込む時にな、洗濯物に小さな虫が付いているのを見て思ったのじゃ。その気になれば指先で潰せてしまうこの虫けらは、なぜここにいるのだろう、と」
「お、おおっ…………」
「何者かの餌にはなっているのかもしれぬ。しかし、ならばこの虫は食われるために生まれてくるのか?そして、食われるまでの間に人間に潰されるかもしれん、それでは生まれた意味がなかろう、と……」
「確かに、俺たちの視点からすると、虫とか、多くの動物は何が楽しくて生きてるんだろう、って感じはするな。ほとんど子どもを作るだけ、って感じに生きてる生き物もいる訳だし」
「じゃろう?……ただ、妾からすると人も同じように感じてしまうのじゃ。人が愚かだとか、そういう風に言いたいのではないのじゃが、ふと考えることがあってのう」
「人を幸せにしている桐だからこそ考えること、って感じか?」
「うむ。そうかもしれん。もちろん、妾が幸せにする人は……悠を含めて、大好きな人じゃから、どんどん幸せになってほしい。……じゃが、たまに冷静になる時があってな。人の生に疑問を持ち出すと、ならばそれを幸せにしている妾の存在意義まで疑問に思えてきて……はぁっ、長く生きていると無駄なことを考えるものじゃ。人の存在意義を問うなど、妾は神にでもなったつもりなのかのう」
 そう言って桐は自嘲気味に笑う。
「でも、俺も結構そういうことは考えたことあるよ。ほら、俺ってこれといった将来の夢とかってないし、ずっとなんとなーくで勉強してきただけだから。いまいち受験のモチベーションとかも保てなかったし、進学したらしたで、学校に通い続ける意味あるのかなー、とか思ったり。だからって不登校になったりはしなかったけどさ」
「なるほど。思えば人自身の方が、思い悩むものなのかもしれんな。それでも、今まで立派に生きてきたのだから大したものじゃ」
「い、いやぁっ……」
 照れくさそうに言う悠を見て、桐はくすくすと笑った。
「しかし、そうして考えることに実利的な意味はなくとも……定期的に己自身に問いかける、というのは大切なことなのかもしれんな。何も考えずにいた方が幸せ、という考え方もあるのかもしれんが……妾は何も考えることなく、ただなんとなく生きているだけというのは受け入れられんのじゃ」
「そうか。…………ちなみにだけどさ」
「うむ、どうした?」
「桐的には、こうやって俺と暮らしているのって、ちゃんと意味あること、なのかな?」
 恐る恐る、といった調子で悠が質問すると、桐は楽しそうに笑い出した。
「そうじゃのう……そなたとの生活は妾が経験してきた中でも、トップクラスに大変じゃな。ロクに家事もできんし、妾が食事を作らねばインスタントしか食べられないし。おまけに極端に運が悪いと来ておる」
「うっ…………」
「しかし、そなたと一緒の妾は……今まで一番笑っている気がする。言っておくが、妾は本来、こうも笑顔を安売りしておらんかったのじゃぞ?ところが、悠といると自然と笑顔が溢れてきてな……。つまり、少なくとも悠は妾に笑顔を与えてくれておる。たった一人の座敷童しか幸せにしておらんかもしれんが、確かにそなたも誰かの役に立っておるということじゃな。……もちろん、久し振りにたくさん笑えて、妾も悠との生活が楽しいぞ」
「そ、そっか……なんか桐がそういう風に言ってくれるの、嬉しいけど、なんか……」
「なんじゃ。恥ずかしいのか?」
「う、うんっ……。なんかすごい変な感じだ……。今まで基本、桐って俺のお母さんみたいな感じだったけどさ。なんかこう、恋人みたいっていうか……」
「はぁっ、悠はまだまだじゃのう」
 強烈に照れる悠に対し、桐はくふふ、と笑った。
「では、妾が母なら、そなたとの生活が楽しくないとでも言うのか?母は子を産んでしまったのだから、その義務感だけで面倒を見ているとでも?」
「あっ……いや…………」
「違うじゃろう?妾はもちろん、悠の本当の母ではないが……母代わりとしてもそなたを愛しておる。……まあ、異性としての感情が全くない訳でもないのじゃが……そういったことも、してしまっておるし、のう……」
 今度は桐が少しだけ顔を赤くする。
「なぁ、桐さ……」
「どうした?」
「桐って、めちゃくちゃ可愛いよな」
「な、なんじゃ、いきなり!今まで割と真面目な話をしておっただろうがぁ!……そういう時に可愛いとか言うのは、反則じゃ」
「ごめん。でも、桐が俺を愛してくれてるって言うから、俺も何か言っておきたくて。可愛くてしっかり者の桐が、俺も大好きだよ。……俺は好きと言うことしかできなくて、何もかも桐にしてもらってる方だけど。これだけは伝えておきたい」
「むぅっ……そういうことなら……。しかしな、悠。そなたはそれしかできないと言うかもしれんが……」
 桐は思いっきり背伸びをして、悠の耳に何かささやこうとする。それを察して、悠も少し身を屈めた。
『妾は愛してもらって、幸せじゃ』
「っ…………桐っ…………」
「座敷童を逆に幸せにできる者など、滅多にいないのじゃぞ?しかし、そなたは妾にとっての特別。妾に幸せにされ、妾を幸せにしてくれる大切な人じゃ」
「あ、ありがとうな……」
「な、なんだか妾も顔が熱いの……。好き好きと言うのは、なんというか西洋風の文化じゃしな……元来、日本人というのはもっと奥ゆかしくあるべき者じゃ……」
 お互い、顔を真っ赤にして照れ合って……だが、自然と二人の視線が絡み合う。
「恥ずかしいついでに……してもいいかな?」
「ここで妾が断れば、どうするつもりじゃ?」
「……強引にでも、しちゃうかも」
「そんなことすれば、もう一生、口を聞いてやらんからな?」
「でも、俺とは一緒にいてくれるんだ」
「そ、それはっ…………」
 桐は目を泳がせながら、もじもじとする。
「妾を翻弄するとは、生意気な口を覚えよって……!」
「桐のお陰だよ、多分」
「うぅっー……そんな生意気な口はなぁ、こうじゃ!」
 必死に背を伸ばして悠に顔を近づけようとする桐だが、背が届かない。そのため、強引に奪おうとした唇の方からやってくる。
「んむぅっ……ちゅっ、ちゅるちゅっ……ちゅぅっ……れちゅっ……ちゅれるっ、ちぅっ……。んれるっ、れるるぅっ、ちゅむっ、じゅっ……れるぅっ……」
 小さな桐の口内で、二人の舌が互いの唾液を求めるように絡み合う。大きな悠の舌に、ちろちろと絡みつく桐の舌の感触がくすぐったく、悠は何度も噴き出しそうになり……しかし、もっと彼女を感じていたいので離さない。
「れろぉっ……れるれろぉっ……れむちゅっ!じゅれるっ……れろれろっ……ちじゅぅっ、ずっ、ずずっ……ちゅむぅっ……!ちゅれるっ、れらっ、れむるぅっ……ちゅっ、ぷぁぁぁっ……!」
 やがて、どちらからともなく唇を離し……互いの舌の間には唾液のアーチがかかっていた。
「キスをしたのは、割りと久し振りじゃな……」
「そうだな……俺も桐の舌は、下でしか感じてなかった気がする」
「全く、それではまるで妾がそなたの性処理だけをしているようではないか。……じゃから、たまにはキスも楽しまんとな。妾たちは家族なのだから」
「う、うんっ……」
「もう一度だけ、よいか?久し振りのキスで、まだ胸がバクバクしておる……もう一度ぐらいせねば、収まりが付かん」
「いいよっ……んっ……」
「ちゅるぅっ……ちゅずずっ、れるじゅぅっ……れろぉっ……。あむじゅっ、れるぅっ、ちゅぷちゅっ、ちゅぷぅっ……れくちょっ、ちゅるるぅっ、ずっ、れろぉっ……ずちゅっ、れるろぉっ……れむちゅっ、ちゅずずぅっ……!」
 再び舌を激しく絡め合って、互いの匂いと体温だけを感じ続ける。
 桐のために身を屈める悠は、自然とその体を抱きしめるような形になっていて……その姿はまるで父親が娘をハグしているかのようなのに、目を瞑った二人の熱烈なキスは、恋人同士のそれだ。
「はむぅっ……むちゅるっ、ずずぅっ……ちゅるっ、ずっ、ずずるぅっ……!んっ、むっ、ふぁぁぁっ…………」
 お互いの舌が疲れてしまうぐらい、激しく動かし合って……自然とキスが終わる。
「んっ……舌が、疲れてしまっは……」
「ははっ、桐、呂律があやひいぞ」
「そなたもは……」
 しばらく笑い合いながら見つめ合っていると、ゆっくりと桐が着物をはだけさせ始める。
「本当は、恋人として悠とつながるつもりだったのじゃが……いつまでも胸の高鳴りが収まらんのじゃ。少し、妾の胸を吸ってみんか?」
「えっ……!?」
 ドキリ、と悠は跳ね上がるように驚く。
「悠の好きなエロ本にもあるシチュエーションじゃろう?授乳手コキ、と言ったか。妾の胸を気持ちよくする代わりに、妾はちんぽをしごいてやろう。いいじゃろう?」
「う、うんっ……!けどさ、桐っ……」
「なんじゃ?妾の薄い胸では不安か?」
「いや……思いっきりしちゃうかも。実は桐のおっぱい、もっといじりたいと思ってたし……」
「ふっ、ふふはっ……!」
 意を決したように言う悠を見て、桐はころころと笑う。
「ほれ、早く待望のおっぱいを吸うがよい。堪え性のない悪い子じゃな……」
「じゃっ、じゃあ……失礼、してっ……」
「んっ、ふぅっ……!」
 目の前にまろび出た慎ましやかな胸と、その先端にある小さな粒のような乳首に、悠はむしゃぶりつく。
 キスの余韻か、舌にはまだたくさんの唾液が絡んでいて……それに乳首を包まれながら、ふと桐は。
「(この唾液に、妾自身のものも混ざっているんじゃろうか)」
 などと、意味もないことを考えたりシた。
「んっ、あっ、んっふっ……!ちゅぱちゅぱと音を立ておって……そんなに好きなのか?」
「ぷふぁっ……!うん、すごい美味しいっ……じゅるっ」
「んっ、んあぁっ……!あ、あんまり吸い方がいやらしいから、これでは手コキどころではないじゃろうが……」
 桐は不服そうに言いながら、なんとか悠のズボンのチャックを下ろして、既に大きく熱を持ったソレを取り出す。
「最近は剥き癖が付いてきて、勃起すると自然に先端が出るようになって来たみたいじゃな。感心感心、いいちんぽじゃ。……んっ、ふぁぁっ!」
 とはいえ、完全に亀頭が露出している訳ではないので、少しだけ皮を剥いてみせる。
 小さな手の、細い指がしっかりとカリ首の少し下を掴んで、きゅぅっと力を込めた。
「さ、しごいてゆくぞ……んっ、ふぁぁっ!やぁっ、そんなじゅばぢゅば吸ってっ……あっ、あぁっ……!!」
 桐の指が優しく肉棒をしごいていくと、それに反応した悠はより強い力で乳首に吸い付く。
 それが気持ちよくて、桐もぎゅうっ、と肉竿を掴んでしまい、それが更に強い刺激となって悠に襲いかかる。
「あっ、あっ、ふぁぁっ……!だ、ダメっ、じゃっ……!このままじゃっ、んっ、ふぅっ……!妾、乳首でイッ……あっ、あふぁっ……!!」
 息を呑む音と共に、じゅんっ、と桐の膣奥が鳴き声を上げるように快感が弾けた。
 だらり、と涎のような愛液が秘所から溢れ出してしまい、下着をぐしょぐしょに濡らしていく。
「う、ううっ……こんなに簡単にイかされるとは、屈辱じゃっ……。乳首、そんなに弱くないはずなのにっ……あぁっ!やっ、んっ、くぁぁんんっ!悠ぅっ……そんなっ、またイかせるみたいにっ……!い、意地悪じゃぞっ……妾は、そなたにもイッてほしいのにっ……んっ!」
 ぢゅばぢゅばっ、ちゅるちゅぅっ、と勢いよく乳首と、その周りの乳輪を舐め回され、ふやけさせられ……更に愛液が出てきてしまう。
 完全に悠のいいようにさせられているのを悔しく思いつつ、ふっと桐は頬を緩める。
「妾がこんなにも簡単にイかされてしまうのは、悠相手だけなんじゃからなっ……んっ!」
 だらしなく快楽に緩んだ顔で、少しだけ涎を流しながら桐は笑っていた。
 それから、まるで川魚を手づかみするようにきゅっ、と悠の肉棒を掴み、刺激する。
「ほれっ……早くイくのじゃっ……!妾ばかり気持ちよくなっても……ふっ!い、意味ないんじゃかっ、らぁっ……!あっ、あぁぁんっ!」
 小さな手の中に収まりきらず、じゅるりっ、と手のひらに先走りを塗りつけながら逃げていってしまうモノを、両手で捕まえ……だが、心地よさにそれも手放してしまいそうになりながら、桐は必死に悠のモノと格闘する。
「んっ、くぅっ……!あっ、ビクビク、しておるっ……そろそろイきそうなんじゃな?わ、妾も全然イッておらぬが、早くイッてしまえっ……!ほれ、ほれっ……!」
 きゅうっ、と握りしめたまま、手を前後に動かし、精液を掻き出そうとする。
 すると、一往復ごとにビクビクとした振動は強まっていき、肉棒の中を精液が移動していく脈動がわかった。
「んっ……!」
 そうして、先端からどばっ、と精液が溢れてくる。
 とはいえ、出されたものはすぐに重力に捕まって勢いを失い、彼のモノと、それを掴む桐の手をドロドロに汚していった。
「結構、出したのう……気持ちよかったのか?」
「うんっ……すごい、よかった……」
「そ、そうか。それは結構じゃが、悠よ……」
「うん?」
「その、な……ずっと妾の右の乳首ばっかり吸っておったじゃろ?」
 桐は顔を赤くして、恥ずかしそうにもじもじとしながら言う。
「左の乳首が、ずっと切ないのじゃ……ちんぽをしごきながら、もう片方の手でいじろうとも思っていたが、悠のモノが大きすぎて片手には収まらんかったしの……。じゃからな、そのっ……」
「じゅぱっ……!」
「ふっ、うぅんっ……!」
 恥ずかしそうな桐の左の乳房に、悠が飛びつく。
 薄いながらも、すべらかな肌と柔らかな触感のそれが、悠の唇の形にへこみ……舌によって愛撫されていく。
「あっ、はっ、あぁっ……!べ、別に口でしてくれなくとも、よかったのじゃが……!悠も、キスで疲れておろう……?」
 そう言っても、悠は止める素振りを見せず、桐の乳首をてらてらのじゅぶじゅぶにしていってしまう。
 桐はその姿に困惑しながらも、優しく彼の後頭部に腕を回し……抱きしめた。
「まったく、大きな赤ちゃんじゃ……本当に、可愛いのぅ……悠」
 優しく力を強めていき、もっと悠の顔を胸に押し付けていって、桐は快楽に震える。
「あっ、あっ、あぁっ……!やっ、んっ、ふっ、ふあぁぁっ!あっ、あぁっ、また、イッてしまうっ……!イくっ……!くっ、あぁぁぁっ!」
 絶頂の瞬間、桐は目をぎゅっと瞑って、より強く悠を抱き寄せ……彼の体温を感じながら股間を濡らしていった。
「はぁっ、あっ、あぁっ……んっ、もう、体がとろとろじゃっ……」
 両乳首でイき、秘所をぐしょぐしょにして、桐は放心したように目を潤ませる。
「はっ……このまま、んぅっ……本番も、したかったんじゃがな……腰も、抜けてしまったようじゃ……」
「いいよ、桐。そうやって感じ過ぎて、腰が抜けちゃう桐も可愛くて、エロいから」
「っ…………!ば、バカなことを言うでないっ……!し、しかしな、悠よ。妾から動くことはできんが……」
 桐は完全に着物を脱いでしまい、白い……もう愛液で透け、ほとんど透明になってしまった下着も脱いで仰向けになり、股間を彼に見せる。
「妾のここ、使ってくれても構わんぞ?そのっ……やはり散々イッて、しかし膣でイけないというのは切ないのじゃ……」
 くぱっ、と呼吸をするように開き、男性器を求める秘所を見て、悠は目を見開いて興奮する。
「い、いいのか……?」
「むしろ、頼むっ……久し振りに悠のモノ、感じたいのじゃ」
「そ、それじゃあ……」
 とはいえ、腰が抜けてしまった小さな少女である桐に挿入するというのは、相応の罪悪感がある……悠はおよび腰のまま、桐の細い腰を手に、自らの股間を押し付けていく。
「んっ……くるん、じゃなっ……」
「うん、桐っ……」
「ふぁっ……!!」
 ずるりっ。潤いきったそこは、狭いながらも簡単に悠の亀頭を受け入れ、拡張される感覚に桐の体が浮き上がる。
「自分のペースで動いてくれて、よいからな……」
「うんっ……ふっ、うぅっ……!」
「あぁっ!んっ、ひぃっ、いぃぃいんっ!はうぁっ、あぁっ……!!」
 そのまま奥まで突き挿れ、また腰を引いて……狭い膣の中でピストン運動を始めると、桐と悠それぞれの快楽の声が響き合う。
「あっ、あっ、あぁっ……!あっ、はぁっ……やはり、悠のっ……すごく、いいっ……!こんなのっ……あぁっ!初めて、じゃっ……」
「桐っ……!うっ、桐ぃっ、くっっ……!」
 大きなモノに刺し貫かれ、その快楽をもっと味わうように桐の膣内は締め付けてくる。その貪欲なまでの食いつきに、悠は腰を動かすのも一苦労で……だが、そこを無理やり割り開くように腰を突き出すと、膣壁によって激しくモノがしごかれる。
「あっ、あぁっ、ひぃぁんっ!!あっあぁっ、よい、ぞっ……悠っ……!妾っ、あっ、あぁっ……!イっ、くぁぁああっ!な、何度だってイけてしまうなっ……んっ、ふぁぁぁっ……!!」
「桐っ……うっ、くっ、桐ぃっ……!」
 細かく膣内が痙攣し、桐がイッてしまったことが伝わる。その細かな振動も刺激となり、悠の射精感も強烈に煽られていった。
「あっ、ひぁっ、あぁっ、ひくっ……!うっ、ふぁぁぁっ!!あっ、悠っ……ビクビクしてっ……あっ、あぁっ!!」
「くっ、うぅつ……!そろそろ、出るっ……!」
「うむっ……たくさん、出してくれてよいぞっ……。ひぅぅうっ!あっ、あぁっ、あひぁっ、あぁっ……!!」
「うっ、くぅうっ……!桐っ、好きだっ……!!」
「あっ、あぁぁっ……!!!」
 しっかりと。大切な宝物が、どこかに行ってしまわないように抱きしめるように、桐の腰を掴み直した悠が、大きく腰を突き出す。
 それと同時にモノが脈打ち、精液が吐き出されていった。
「あっ、ああっ、ふっ、ぁぁぁっ……あっ、あぁっ、中、すごいぃっ……悠の精液がっ、たくさんっ…………」
「桐っ……うっ、くぅっ……!!」
 最後の一滴まで、膣内に注ぎ続け……悠も力尽きて、荒い呼吸を繰り返している。
「悠っ……あれは、反則じゃ…………」
 桐もしばらく、呼吸を整えていたが、やがてぽつりと口にする。
「えっ……?」
「イく時、妾のこと……好きと言ったじゃろう」
「う、うんっ…………」
 不服そうな桐を見て、悠は怒られるのかと、こわごわ返事をする。
「あれは、ダメじゃっ……妾の体が、本気でそなたを求めてしまった……。できるものなら、悠の子を孕みたいと……そう、願ってしまったではないか……。妖のこの身では、それが叶わんが……それが、とても悲しいことのように感じてしまったのじゃ」
「桐っ…………」
 泣きそうな声の彼女を心配して、悠が顔を近づける。……つながったまま。
 だが、桐はもう次の瞬間には悲しみの顔を、満面の笑顔に変えていた。
「じゃが、悠の愛に包まれて……とても心地よかった。ただ気持ちよかったのではないぞ。心が満たされたのじゃ。じゃからな、悠……」
「うんっ……」
 すぐ近くにある悠の耳に、桐はささやく。
『これからも、たくさん愛し合おう。子などできなくとも、そなたの愛を感じられるだけで妾は幸せじゃ』
 そして、桐の腕が優しく悠を包み込んだ。
「妾たちは、家族じゃ。恋人同士でも、ただの夫婦でもない……。妾はそなたの母で、妻で。姉で、妹で。あまり認めたくないが、娘にも見えるじゃろう。じゃから、子を為すことを愛の証明などとしなくてよい。共に暮らし、共に愛し合う……それが妾たちの生き方なのじゃろう」
「……そうだな、桐。俺も……桐をもっと愛したい。本当に大好きなお母さんで、大切な奥さんで。しっかり者の姉で、可愛い妹だから」
「ふふっ……そうか。――のう、悠」
「うん」
「一緒にお風呂に入ろう。それから、寝る時も一緒じゃ」
「ああ、もちろん。……今日に桐は、甘えん坊で可愛いな」
「だって……仕方ないじゃろう。悠の“大好き”をこんなにもらったのじゃ。妾だって、愛が溢れてしまうじゃろうが……」
 桐は顔を真っ赤に。少しすねるように言う。
「悠」
「うん」
「大好きじゃ」
 桐は少し照れくさそうに笑いながら、そう言った。