「でね、そういう感じだったの。――じゃ、お兄。一緒に食べよっか」
『うん、そうしようか。……すごく美味しそうだよ。けど、僕も楓の手作り、食べたかったな』
「あははっ、絶対、お店のチョコの方が美味しいよー?」
『それでも、だよ』
……胸がドキッ、とした。もう、お兄ったら相変わらず天然タラシなんだから。
「いただきまーす!あむっ……」
『うん……美味しい。楓は?』
「もちろん美味しいよ!だって、お兄と一緒に食べてるんだもん」
『……まったく、楓は』
「あははっ、ドキッてした?もーっ、お兄は単純だなー!」
『だって……仕方ないだろ。楓のこと、好きなんだから』
「そ、そっか。……もちろん、あたしもだよ。お兄」
こうして、恋人たちの時間は……流れていくのだった。
1 2